FIFA ワールドカップ 2026 ダビド・アラバ
ダビド・アラバ(David Olatukunbo Alaba、1992年6月24日生まれ)は、オーストリア・ウィーン出身のプロサッカー選手である。ポジションはセンターバックおよびサイドバック。長年にわたりバイエルン・ミュンヘンおよびレアル・マドリードで主力を務め、UEFAチャンピオンズリーグやブンデスリーガなど41を超えるタイトルを獲得してきた。2026年北中米ワールドカップでは、オーストリアサッカー代表のキャプテンとして出場。1998年フランス大会以来28年ぶりとなる本大会の舞台に、34歳で初めて立った。
プロフィールと出自
ダビド・アラバの父はナイジェリア出身で、経済学を学ぶためにウィーンへ渡ってきた後に音楽の道へ転身した人物であり、母はミス・フィリピンの称号を持つフィリピン人の看護師である。2人の間に生まれたアラバは、ウィーンのドナウシュタット地区で育ち、妹のローズ・メイは後にオーストリアを代表する国民的歌手となった。多文化的なバックグラウンドを持つ彼は、ピアノとギターも弾けるなど音楽的素養も兼ね備えており、サッカーを職業に選んだ後も芸術への関心を失わなかった。地元クラブのSVアスパーンで幼少期にキャリアをスタートさせ、10歳のときにFKアウストリア・ウィーンのユースアカデミーへ入団した。その後の成長速度は目覚ましく、2008年にはバイエルン・ミュンヘンの下部組織へ加入している。
バイエルン・ミュンヘン時代
ダビド・アラバはバイエルン・ミュンヘンのユース年代で才覚を発揮し、2009-10シーズン途中にトップチームへ昇格した。2010年2月にDFBポカールのシュパイカー・グロイター・フュルト戦でデビューを果たし、わずか17歳7カ月という年齢でバイエルン史上最年少出場記録を塗り替えた。2011年1月にはホッフェンハイムへのレンタル移籍を経験したが、翌2011-12シーズンにバイエルンへ復帰するとレギュラーの座を掴み、同年末にはオーストリア年間最優秀選手賞を初受賞した。ジョゼップ・グアルディオラが監督に就任した2013-14シーズンからは、守備時はサイドバックを、攻撃時は中盤の底(インサイドハーフ)へとポジションを移動するという新たな役割を担い、この戦術はメディアから「アラバロール」と命名されて世界的なサッカーシーンに広まった。バイエルンでの在籍期間は通算400試合以上に達し、ブンデスリーガ10回、チャンピオンズリーグ2回(2013年・2020年)を含む計27冠を獲得した。
レアル・マドリード時代
2021年夏、ダビド・アラバはバイエルンとの契約満了に伴いフリーでレアル・マドリードへ加入した。当時の市場価値は5500万ユーロと評価されており、移籍金なしで移籍した選手としては史上最高の価値を誇るケースとなった。セルヒオ・ラモスから受け継いだ背番号「4」を背負い、加入初シーズンのエル・クラシコで先制ゴールを決めるなど即座に実力を証明した。2021-22シーズンにはリーガ・エスパニョーラおよびチャンピオンズリーグの2冠に大きく貢献し、2023-24シーズンにもこの2冠を達成した。これにより、アラバは異なるクラブでチャンピオンズリーグを2度制した唯一の選手という歴史的記録を打ち立てている。なお、2026年5月22日、レアル・マドリードはアラバが2025-26シーズン限りで退団することを公式発表した。5年間で131試合に出場した輝かしいキャリアに幕を引く形となった。
前十字靭帯断裂と長期離脱
2023年12月17日、ラ・リーガのビジャレアル戦でダビド・アラバは左膝の前十字靭帯を断裂するという重傷を負った。手術と長期のリハビリを必要とし、その後も再手術を余儀なくされるなど回復は難航した。結局、離脱期間は約13カ月にわたり、2025年1月19日にUDラス・パルマス戦(4-1の勝利)でようやくピッチへの復帰を果たした。UEFA EURO 2024にはこの負傷により出場できず、「試合に出ないキャプテン」として代表チームに帯同するにとどまった。2025-26シーズンはリーグ戦わずか10試合の出場にとどまり、断続的な筋肉や膝のコンディション問題が続いた。しかし代表では2025年10月のワールドカップ予選サンマリノ戦でアシストを記録するなど、オーストリア代表では着実にコンディションを取り戻していった。
オーストリア代表でのキャリア
ダビド・アラバは2009年10月14日、ワールドカップ予選のフランス戦に途中出場してオーストリア代表デビューを果たし、当時の最年少記録を更新した。代表では主に左サイドバックやセンターバックを務め、UEFA EURO 2016やUEFA EURO 2020にも出場している。EURO 2020ではオーストリアが史上初めてノックアウトステージに進出し、国民的英雄としての地位を確立した。2023年6月にはベルギーとの親善試合でA代表通算100試合出場を達成。代表通算キャップ数は110を超え、オーストリア代表史においても有数の偉大なキャリアを築いている。オーストリア代表はラルフ・ラングニック監督率いるハイプレス戦術のもとで欧州予選グループHを首位で通過し、1998年フランス大会以来28年ぶり・通算8度目のワールドカップ出場を決めた。
2026ワールドカップ選出とグループJ
2026年5月18日、ラルフ・ラングニック監督はワールドカップ本大会に臨む26名のメンバーを発表し、ダビド・アラバもキャプテンとして名を連ねた。グループJにはアルゼンチン、アルジェリア、ヨルダンと同居しており、前回王者アルゼンチンとの対戦はとりわけ注目を集めた。アラバ自身はFIFAの取材に対し「ワールドカップの舞台は生涯の夢。切符を自分たちの手で掴み取れたことを誇りに思う」と語り、初のワールドカップへの熱い思いを表明した。オーストリアはグループ初戦のヨルダン戦を3-1で制し、28年ぶりの本大会での初勝利(実に36年ぶりの本大会での勝利)を飾った。アラバはセンターバックとしてフル出場し、ディフェンスラインを統率した。
アルゼンチン戦の激闘
グループJ第2節(日本時間2026年6月23日)では、ダビド・アラバがアルゼンチン代表と対峙した。前半38分にリオネル・メッシが先制ゴールを決め、後半50分にも追加点を挙げたため、オーストリアは1-2で敗れた。アラバは68分に途中交代となったものの、前半は世界王者のエースを正面から受け止める献身的な守備を見せた。敗戦したものの、オーストリアは初戦勝利の勝ち点3を保ちグループ内での順位争いを続けており、アラバのキャプテンシーはチームの精神的支柱として機能している。彼にとって初のワールドカップが、34歳にして実現したキャリアの集大成として強く印象に残る大会となっている。
プレースタイルと特徴
ダビド・アラバの最大の特徴は、複数ポジションをトップレベルでこなせる高い汎用性にある。左サイドバック、センターバック、ディフェンシブミッドフィールダー、左ミッドフィールダーとあらゆる守備・中盤のポジションで世界水準のパフォーマンスを発揮できる。グアルディオラのもとで生まれた「アラバロール」(守備時はSB、攻撃時はインサイドハーフに入る偽サイドバックの役割)は、現在世界中のチームが採り入れる戦術的トレンドの先駆けとなった。強力な左足による正確なパスや積極的なビルドアップ参加、危険を察知するポジショニングなどが高く評価されており、オーストリア年間最優秀選手に10度選ばれている。UEFAベストイレブンにも3年連続(2013〜2015年)で選出された経歴を持つ。
主な獲得タイトル
ダビド・アラバのキャリアにおける主な獲得タイトルは以下の通りである。バイエルン・ミュンヘン時代に獲得したタイトルだけで27を数え、UEFAチャンピオンズリーグ2回(2013・2020年)とブンデスリーガ10連覇が特筆される。レアル・マドリード移籍後はラ・リーガ2回(2022・2024年)、チャンピオンズリーグ2回(2022・2024年)のほか、UEFAスーパーカップ2回、コパ・デル・レイ1回、スペインスーパーカップ2回、FIFAインターコンチネンタルカップ1回を獲得した。通算タイトル数は41を超え、現役選手の中でも最多クラスの獲得記録を誇る。
- ブンデスリーガ優勝:10回(バイエルン・ミュンヘン時代、2009-10〜2020-21)
- UEFAチャンピオンズリーグ優勝:4回(2013・2020=バイエルン、2022・2024=レアル・マドリード)
- DFBポカール優勝:6回
- ラ・リーガ優勝:2回(2022・2024年)
- コパ・デル・レイ優勝:1回(2023年)
- FIFAインターコンチネンタルカップ優勝:1回(2024年)
- オーストリア年間最優秀選手:10回(2011〜2016年の6連続受賞を含む)
個人情報
ダビド・アラバのパートナーはシャリマー・ヘプナーで実業家であり、2人は2017年に出会い、息子と娘の2人の子供を持つ。音楽一家に育ちピアノとギターを弾く趣味を持ち、妹のローズ・メイは平昌冬季オリンピックのコカ・コーラ社公式テーマソングを歌うなどオーストリアを代表する歌手として活躍している。アラバはレアル・マドリード退団後の次のクラブが決まっていない状況でワールドカップに臨んでおり、2026年夏の移籍先も大会後の大きな注目事項となっている。FIFA ワールドカップ 2026において、初のワールドカップを有終の美で飾れるかが世界中のサッカーファンから注目されている。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| フルネーム | ダビド・オラトゥクンボ・アラバ |
| 生年月日 | 1992年6月24日(33歳) |
| 出身地 | オーストリア・ウィーン |
| ポジション | センターバック / サイドバック |
| 所属クラブ(2025-26) | レアル・マドリード(2021〜2026) |
| 代表 | オーストリア代表(キャプテン) |
| 代表通算出場 | 110試合以上 |
| 2026 W杯グループ | グループJ(アルゼンチン・アルジェリア・ヨルダンと同組) |
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